大人の弱視(ロービジョン)原因は

大人の場合、病気や合併疾病が原因です。ここでは、日本人に多い失明原因となる目の病気についてご紹介します。

緑内障

眼球内の圧力が高まって視力が落ちたり、視野が狭くなったりする病気で、片目ずつ発症することが多く、正常な方の目が視覚情-報を補ってしまうため、気が付かないことが多い病気です。早期発見、早期治療、長期管理が必要な病気なので、定期的な目の検査をすることがが大切です。

糖尿病性網膜症

初期は自覚症状はあまりないため、気が付いた時には手遅れになり、最終的には失明につながる恐れのある怖い疾患です。糖尿病をできるだけ早く発見し、良好な血糖コントロールを保つために、糖尿病の管理をしていくことがとても大切です。

網膜色素変性症

遺伝性素因で起こるといわれます。視力・視野は良好なのに、暗くなると見えにくい(夜盲)という症状がきっかけで眼科を受診し診断されることが多いです。病気が進むと周辺視野異常、視野全体が狭くなる求心性視野狭窄などが生じてきます。現在の所、有効な治療法はありません。

加齢黄斑変性

年を重ねると発症する可能性がある病気です。50歳以上の約1.2%(80人に1人)にみられ、日本人では、男性に多いことが特徴です。
中心にあるものが、ゆがんで見えたり、見えない部分がてるなどの症状が起こります。

網膜剥離

網膜に小さな穴ができ、この穴から眼球内の水(液化した硝子体)が網膜の下へ入り込んで網膜が剥離する病気です。剥離した部分では物が見えなくなり、物を見る中心部分まで剥離が進むと、視力が一度に低下します。
網膜剥離の人は、ただちに手術をする必要があるので、見え方に異常が起きたら、眼科を受診しましょう。

大人の弱視・ロービジョンはいろんな原因があるんだね

大人の弱視(ロービジョン)を放置したら
どんなことになるの?

前項でご紹介した病気は、自覚症状がほとんどないため、治療せずに長年放置すると最悪、失明に至る病気です。失明原因1位の「緑内障」は、統計では40才以上の人の30人に1人の割合で発病し、8割の人は緑内障が未発見のまま放置されているともいわれています。

緑内障の場合、発症してから失明まで10年~20年くらいの長い年月がかかるのが普通で、少しずつ視野がしだいに狭くなり、進行すると視野はほとんど中央だけになり、視力も低下した「弱視(ロービジョン)」状態となります。
早期に発見できれば失明の可能性は小さくなりますので、検査を定期的にすることが一番の対策になります。