内科医に聞く。ストレスと疲れ目の関係とは|眼鏡(めがね)、コンタクトレンズ、補聴器販売のメガネスーパー

内科医に聞く。ストレスと疲れ目の関係とは

アラフォーから意識したい目の加齢対策とは

最近、仕事が忙しいからか目がしょぼしょぼする、まぶたが重いと感じることがありますが、その原因は、「目の機能の問題ではなく、実はストレスかも」という場合があると聞きました。
「ストレスや睡眠不足などによって自律神経が乱れると、目も当然、疲れます」と指摘をするのは、大阪府内科医会副会長で泉岡医院院長・内科医の泉岡利於(いずおか・としお)先生。何やら思い当たりませんか。詳しいお話を伺いました。

目の加齢対策とは

ストレスがたまると、目の筋肉が過度に緊張する

泉岡先生は、ストレスで目の疲れが悪化する原因について、次のように説明をします。
「自律神経には、活動中や緊張度が高いときに働く交感神経と、リラックスモードの働きを担う副交感神経があります。

心身の疲労やストレス、あるいは、夜更かしや暴飲暴食などによって生活のリズムが乱れると、この2つの神経のバランスが崩れてしまいます。
その結果、不眠や便秘、胃痛、頭痛、肌荒れなど、体調不良のサインが現れますが、目疲れもその一つです」

仕事やスポーツを長時間し続けていると、その間、ずっと交感神経が働き、神経や筋肉が緊張している状態だとか。泉岡先生はこう続けます。
「緊張や疲労が積み重なると、筋肉が収縮して硬くなってこりがたまり、血管を圧迫し、血行が悪くなります。

目の場合は、目の筋肉が過度に緊張することで目の血流が悪化して、疲れ目を招くことになります。
我々は起きている間中、日常生活で目を酷使しています。特に、テレビやパソコンの画面の光は交感神経に刺激を与えやすく、疲れ目の悪循環の一因になります」

筆者はまさに思い当たります。頭がぼーっとしてくるのも、目の疲労に関係するのでしょうか。
「目の後ろには脳があります。目から入る光の刺激で脳まで痛みが放散し、慢性的な頭痛の原因になることも少なくありません。
そのことが、首や肩などの筋肉や神経に負担をかけているのです。

肩こりのときは主に後頭部が痛み、疲れ目のときには前頭葉を刺激するので、頭全体がぼんやりしたり痛んだりするでしょう。デスクワークの人に多い症状です」(泉岡先生)

日々、リラックスする時間を持つことで疲れ目が改善する

自律神経を整える方法について、泉岡先生は次のアドバイスをします。
「ぐっすりと眠ることで自律神経のバランスが整い、疲れ目を始め、体調不良が快方に向かいます。

そのために、特に夜は、副交感神経が働くよう、リラックスするように心がけてください。日中、仕事でいやなことがあったことを夜に持ち込むと、精神的にも肉体的にも緊張状態が終日続き、自律神経のバランスが崩れます。

夜は部屋の照明を暗めに調節して、クラッシック音楽を聞く、読書をするなどゆったりくつろぐことが理想です。特に疲れ目改善のためには、寝る直前までテレビやパソコンの画面を見るのは控えるようにしましょう」

目の疲れがリラックスすることで軽減されるとは予想外でしたが、自律神経のバランスを整えるという意味で、説得力がある方法です。泉岡先生はさらに、
「毎日、少しでもリラックスする時間を持つように、自分なりのストレス解消法を取り入れましょう。
ストレッチやウォーキングなどで軽く体を動かす、ゆったり入浴する、趣味の時間を大切にする、規則正しい生活を心がける、友人や家族と会話するなど、どんなことでもかまいません。
とにかく、健康のためにはストレスから遠ざかることが大事なんです」
と、リラックスが全身の健康を改善することを強調します。

「忙しくて帰宅後もイライラをひきずったまま夜遅い時間に酒と食事をかきこみ、シャワーだけ浴びて寝床につくもなかなか寝付けない……。
そんな日々が続くと、目の疲れはひどくなるだけです。それに、目薬を1週間ほど使っても疲れ目がひどい、なんら改善しないという場合、目以外に原因があることも考えられます。
眼科、あるいは内科や心療内科を受診するのも一つの方法でしょう」と泉岡先生。

このごろ目が疲れるなあと感じたら、それはストレスフルなサインかも。これを機に全身のほかの部位の健康にも注意をしてみましょう。その上で、日ごろからマイリフレッシュ法を持ってストレスをためない生活を心がけたいものです。

泉岡利於氏

取材協力・監修:泉岡利於氏

医学博士。内科医。

大阪府内科医会副会長。

医療法人宏久会泉岡医院院長。

泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8

JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分
TEL:06-6922-0890

http://www.izuoka.com/

取材・文 藤井空/ユンブル