今や社会問題化しつつある高齢運転者による 交通事故。その原因の多くは「安全不確認」という調査結果が出ていますが、実は、それが少なからず眼の老化に伴う視覚機能の低下と相関しているといわれています。
今回は、眼の老化が高齢運転者の交通事故リスクを高めている理由を検証し、アイケアの観点から見た対策をご紹介します。
①なぜ!?相次ぐ高齢運転者の交通事故
②「眼の老化」対策が高齢者の安全運転に不可欠な理由
③メガネスーパーがおすすめする運転用メガネ
④メガネスーパーかのトータルアイ検査
⑤高齢運転者が安全運転を続けるために
①なぜ!?相次ぐ高齢運転者の交通事故
高齢運転者の交通事故の増加と道路交通法改正の決定
今や社会問題化しつつある高齢運転者による交通事故。
10万人当たりの交通死亡事故件数を年齢別で見ると、10~20代の若年層に次いで65歳以上の高齢者に多く発生しているのがわかります(下グラフ)。
高齢運転者による交通事故発生時の違反内容は主に交差点等での信号無視や一時不停止など(下グラフ)。事故後に認知症と診断される例も少なくありません。
日本政府においても、来年(2017年)3月には道路交通法の改正を施行し、75歳以上の運転者を対象に、逆走や信号無視など18項目に違反すれば、原則として「臨時の認知機能検査を義務付ける」ことを決定。この検査もしくは免許更新時に認知症と診断された場合は、運転免許は取り消しまたは停止されることになります。
事故原因となる高齢運転者の交通違反は主に「不注意」によるもの?
高齢運転者が関与した交通事故のうち、もっとも多い高齢運転者側の違反は「安全不確認」(構成率 30.9%)。 高齢運転者は、本人は安全運転を心がけているつもりでも、客観的に見ると安全運転とはいえない点があると考えられています。
その理由としては、個人差はあるものの
1.注意力や集中力の低下
2.瞬間的な判断力の低下
3.過去の経験にとらわれて「見なくてもわかる、こうに違いない」などと判断してしまう …
といったものが挙げられます。
高齢運転者の事故原因となる交通違反は、主に「不注意」によるものとされています。しかし、問題はそれだけではありません。高齢運転者は、視覚をはじめとする認知機能の低下や身体機能の変化によって、対象の見落としや反応の遅れなどが発生しやすくなるのです。
■高齢運転者の違反別に見た交通事故発生状況
■高齢運転者の人的要因別にみた交通事故発生状況
②眼の老化」対策が高齢運転者に不可欠な理由
「眼の老化」は交通事故の発生リスクを高める
高齢運転者による事故の人的要因とされている「不注意」には、視覚をはじめとする認知機能の低下が大きく関わっているといわれま す。眼の老化は、調節力の低下によって近くが見えにくくなる老眼はもとより、さまざまな視覚機能に支障をきたします。
たとえば、運転中に動いている交通環境を見極めるのに必要な「動体視力」や、明暗差に対応する「明暗順応」、両眼をバランスよく使って距離を把握する「深視力」などの衰えは、発見の遅れや見落としなどの原因になりがちです。また、平衡感覚が失われたり、情報が脳に伝わるまでに時間がかかり、対応が遅れることも考えられます。また、眼の老化による調節機能の低下から「調節性眼精疲労」にもなりやすくなり、眼のかすみや視界がぼやけるなどの症状によって安全運 転が困難になることも珍しくありません。
高齢運転者の交通事故や交通違反を防ぐためには、本人はもちろ ん、家族や周囲も理解に努め、適切な眼の老化対策やサポートに取り組むことが大切です。
■目の構造
■老化による視覚機能の低下
老化による視覚機能
「認知症」も高齢運転者の交通事故のリスクを高める要因のひとつであり、その「認知症」の発症リスクとして「視覚機能の低下」が相関していることがわかってきました。
米国の疫学雑誌では、高齢者の視力低下が認知症のリスクを上昇させる可能性があるという論文を発表。これはアメリカで71歳の高齢者625人を約10年間追跡したものですが、視力が「きわめて良い」「とても良い」と回答したグループは、他の回答をしたグループより認知症のリスクが63%低く、また眼科医を受診した経験があるグループは、未受診のグループよりリスクが約64%低いという調査結果が出ています。
この調査によって、視力が低下し、適切な処置も行っていない高齢者は、さまざまな活動による脳の活性化につながる機会が失われ、認知症を引き起こしやすくなると懸念されています。まず、眼の老化対策 は、眼だけでなく脳や身体機能にも密接に関わり、認知症予防にも必要であるという意識を持つことが重要です。
歩行中も注意! 視機能低下は、転倒のリスクも高める
高齢者の歩行中の交通事故も増えているので要注意!視覚機能の低下は、歩行中の発見の遅れや見落としはもちろん、転倒リスクも高めてしまいます。車の運転をしない方にも「眼の老化対策」は不可欠!青信号が点滅したら無理して渡らない、夜間は反射板を着けるなどの心がけも大切です。
③メガネスーパーがおすすめする運転用メガネ
ポイントは視距離!運転時の「見る距離」に合った眼鏡を選ぼう
通常、メガネは視力に合わせて選ぶのが常識と考えられがち。しかしメガネスーパーでは、運転用と室内用、読書用というように、用途 別にメガネを使い分けることをおすすめしています。それは、単に視力に応じた度数ではなく、見る距離に合った度数があるからです。
例えば、新聞や本を読むなどの近見用メガネで車の運転をすると、遠くがボヤケ、距離感が把握できない、歩行者と背景のコントラストがはっきりしない…など、非常に危険です。
おすすめ累進レンズは遠近両用タイプ
老眼鏡は、1枚のレンズで遠用・中間・近用と度数が変化する累進レンズが主流です。車の運転用としては 、カーナビ使用の場合、近く (約70~80cm)から遠くの標識までよく見える「遠近両用レンズ」がおすすめ。
メガネスーパーでは、累進レンズ特有のゆがみを極限まで抑え、よりクリアな視界を得られる高機能プレミアムレンズも各種取り揃えています。また、カーナビを使用しない方には、より遠くが見やすい単焦点という選択肢もあります。さらに、室内で家事をする時間が長い方は「中近レンズ」、読書やパソコンなど手元作業の多い方は「近々レンズ」と必要な視距離に応じて使い分けるのが理想的です。
■オススメのメガネレンズ
メガネ購入後の保証制度も重要
メガネスーパーでは、購入いただいた商品の見え方・品質・破損について、最大1年間のワイドな保証を行う 「HYPER保証」、さらに、わずかな追加料金で、3年間完全保証に対応する「HYPER保証プレミアム 」など、充実した商品保証制度を受けていただけます。
とくに老眼の進行や白内障手術後などで、正確な検査や細やかな調整が必要な遠近両用メガネのお客様においても「見え方保証」で対応しているので安心。購入されたメガネのお渡し日から6ヶ月以内は、レンズの交換修理が無料。また、最大3年間は、レンズの交換修理を3,000円で何度でも保証する制度です。また、通常使用によるフレーム・レンズの破損の場合はメーカー保証1年が過ぎても、+3,000円で最大3年間の修理・交換ができます。
正常なご使用においての事故や火災での破損の場合も、同様のサービスが受けられます。さらに、通常使用によるフレーム・レンズの紛失・ 盗難時も、3年間は通常の半額で商品の再購入ができる、至れり尽くせりの保証制度です。
④ガネスーパーのトータルアイ検査
メガネスーパーの「トータルアイ検査」とは
メガネスーパーでは、視力はもとより眼の状態や生活習慣に至るまで トータルに検査を行う高水準の「トータルアイ検査」を独自開発し、ご提供しています。なかでも各世代特有の眼のお悩みやライフスタイルに合わせた「世代別検査メニュー」は、ぜひご体験していただきたい検査です。
これらの検査結果は、必要な視距離や機能を備えた高品質のメガネづくりに生かされるほか、年代や健康状態に合った脳トレや疾病予防などのビジョントレーニングも併せてご提供しています。
高齢運転者向け「認知機能サポート」も提供
メガネスーパーでは、「世代別検査メニュー」の一環として、高齢運転者を対象とした「認知機能サポー ト」もご用意しています。とくに運転時に必要な「認知→判断→動作」の身体的機能が正常に働くことが不可欠であり、その入口となる視覚および聴覚の力を最大限に発揮させるためのサポートを行います。
■メガネスーパーが提供する高齢者ドライバーを対象とした認知機能サポート
メガネスーパーの補聴器サービス
メガネスーパーの補聴器サービス
メガネスーパーの補聴器取扱店にて、補聴器に関するさまざまなサービスを提供しています。詳しくは、メガネスーパー公式サイトをご覧ください。
https://www.meganesuper.co.jp/hearingaids/
⑤高齢運転者が安全運転を続けるために
車の運転に適したメガネをかけましょう!
ずっと同じメガネをかけていて、最近はよく見えないが、慣れているから大丈夫…そんな過信が事故の元。まず、信頼できるメガネ専門店で検査を受け、現在使用しているメガネが、運転に適してい るか確認し、レンズ交換もしくはメガネの買い替えをご相談ください。また、年1回は眼の検査やメガネのチェックを受け、必要に応じてフレームの調整やレンズ交換などを行うことも大切です。
メガネスーパーでは、独自の「トータルアイ検査」にはじまり、高度な技術を駆使した「オンリーワンの快適メガネ」の提供、そして、購入後も「HYPER保証」や「HYPER保証プレミアム」によって 末永く安全運転のためのアイケアを応援しています。 また、視界が白くかすむ、視界の真ん中がゆがむ…などの異変が あれば、すぐ眼科医へ。老化による眼の疾病の初期症状かもしれません。早期の治療によって進行を遅らせる可能性も高くなります。
交通ルールを必ず守る!
当たり前のようですが、誰もいないから赤信号をスルー、夕暮れでもまだ明るいからライトを点けずに運転…そんな油断から発生する交通事故は後を絶ちません。毎日通る慣れきった道路でも、交通 ルールを1つ1つ守り切る。そのためにも、小さな対象物や標識、サインを見逃さない適切なメガネは必要不可欠です。
運転免許の更新期日が近づいてきたら…
免許証の更新期間が満了する日の年齢が70歳以上で免許の更新を行う方は、免許証の更新期間が満了する日の6か月前から高齢者講習を受講することができます。
70〜74歳の方の受講内容は、
1.ビデオなどで、交通ルールを再確認
2.機械を使って、動体視力や夜間視力などを測る
3.車を運転して、指導員から助言を受ける
4.危なかった点などを話し合う
75歳以上の方は、事前に講習予備検査を受け、検査の結果を講習に役立てることができます。
お問合せ先:一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会
TEL:03-3556-0070
もし、運転する自信がなくなったら…
運転する自信がなくなった、家族から運転を止めてほしいといわれた…そんな時は「運転免許の自主返納」という選択肢があります。 運転免許を返納した方は、「運転経歴証明書」を申請することができます。
「運転経歴証明書」は、運転免許を返納した日からさかのぼって5年間の運転に関する経歴を証明するもの。これまで安全運転に努めてきた証明や記念品となるものです。高齢者運転免許自主返納サポート協議会の加盟店や美術館などで「運転経歴証明書」を提示すると、さまざまな特典を受けることができます。
申込み、お問合せ先は管轄の警察署へお問合せください。