眼の健康寿命を、延ばす。

アイケア研究所レポート VOL.2

2015年6月8日発行

特集1:老眼の正しい知識と対策

老眼の対策は、心身の健康を守り、快適かつ豊かな生活を送るためにも大切な課題です。正しい知識を身に付け、もっと前向きに老眼と向き合ってみませんか?

老眼の正しい知識と対策

そもそも老眼とはどんな状態を指すのか。何歳から老眼と呼ばれるのか。そんな疑問を持つ方も少なくないのではないでしょうか。また、老眼鏡をかけると老眼が進行する…などという都市伝説も出回っており、誤った認識や先入観から老眼を放置してしまい、悪化させてしまうケースも見られます。老眼の対策は、心身の健康を守り、快適かつ豊かな生活を送るためにも大切な課題です。正しい知識を身に付け、もっと前向きに老眼と向き合ってみませんか?

老眼の症状とは

その症状、もしかしたら老眼のサイン?

老眼になると、眼のピントが合わなくなり、近くのものが見えにくくなります。遠くはよく見えるのに近くのものが見えにくい、明るい場所ではよく見えるのに薄暗くなると見えにくい、本や新聞の小さな文字は遠くに離さないと見えにくい…といった症状が現れたら、老眼のサインかもしれません。

近視の人は老眼にならないってホント?

「近視の人は老眼にならない」「遠視の人は老眼になりやすい」などという人がいますが、それは何の根拠もない誤った認識です。老眼はどんな人にも必ず起こる眼の老化現象で、45歳以上になると老眼用レンズの使用が急激に増えるという調査結果も出ています。特に近年では、スマホやパソコンの多用などによって老眼の若年化が進んでいるともいわれており、正しい知識を身に付け、予防や対策を行うことがますます重要になってきています。

ご存じですか?夕方老眼・週末老眼

朝はよく見えていたのに、夕方になるとパソコンや書類の文字が見えにくい。そんな症状を「夕方老眼」、週末に同じような症状が出る場合は「週末老眼」と呼びます。いずれも年齢にかかわらず、疲労がたまりやすい時に眼の不調が起きる症状ですが、老眼の早期発症につながる可能性も。おかしいなと思ったら、早めの検査やケアをおすすめします。

老眼による眼の症状とそのメカニズム

老眼による主な眼の症状は、①水晶体の硬化②毛様体筋の衰え③虹彩の動きの鈍化です。これらは老化によって誰にでも起こることであり、完全に止めることは出来ませんが、症状を軽減できる可能性はあります。そのためにも老眼のメカニズムを知って、早めの対策や処置を行いましょう。

①水晶体の硬化

カメラのレンズの役割を果たす水晶体は、右下の図のように、普段、遠くを見ているとき水晶体は薄く、近くを見るときに水晶体を厚くすることで、網膜でピントが合うよう調節しています。ところが40代を過ぎ

る頃になると、この水晶体は徐々に硬くなってきて弾力がなくなり、厚くする機能が衰えてしまいます。このことによって、網膜でのピント調節がうまくできなくなり、焦点が合う範囲が非常に狭くなります。近くのものを見ようとするとピントが合わず、視界がぼやけるようになります。水晶体の弾力は、肌の潤い成分としても知られているコラーゲンによるもの。主にこのコラーゲンが老化によって失われることによって、水晶体が硬化するものと考えられています。

②毛様体筋の衰え

毛様体筋は、水晶体を支える眼の筋肉です。毛様体筋と水晶体は、毛様小帯という細い線維で繋がっています。そして光が眼に入ってきたときに、この毛様体筋が収縮することで水晶体の厚みが変化し、網膜でのピント調節を行うことができるのです。しかし、この毛様体筋の収縮力が衰えると、水晶体の厚みを変化させられず、網膜のピントが合わなくなります。  また、毛様体筋は水晶体の潤いに必要な房水を運ぶ役割もしているため、毛様体筋の衰えは水晶体の弾力を失わせ、硬化させる要因ともなってしまうのです。

③虹彩の動きの鈍化

眼の瞳孔は、見たものを網膜に映すため、周りの明るさによって大きさを変え、水晶体に光の情報を送ります。そして、その瞳孔の大きさを調節しているのが、瞳孔の周りにある虹彩という筋肉です。  この虹彩は、若いときには大きく、加齢に伴って縮小していきます。虹彩が老化すると、瞳孔を大きくしたり小さくしたりする筋力が衰えるため、薄暗い場所でも見えにくくなったり、色のコントラストも識別しにくくなったりします。

老眼放置による弊害

老眼鏡をかけるのはかっこ悪い?

老眼を認めたくない、老眼鏡に抵抗があるという方は少なくないようです。しかし老眼を放置していると、眼精疲労や視力低下はもとより、頭痛や肩こり、食欲減退などの全身の不調にもつながりかねません。また、老眼鏡は格好が悪いからと、眼を細めてパソコンを見ているうちに、眉間にシワが増えたというのでは本末転倒です。老眼対策も時代と共に進化しています。今やレンズに境目のない累進レンズが主流であり、ファッション性の高いメガネや遠近両用のコンタクトレ

ンズなど、ポジティブに老眼対策ができる選択肢もますます増えてきています。また、適切なケアを行うことで、老眼になるのを遅らせたり、症状を軽減したりできる可能性も大きいのです。老眼に対する正しい知識を身に付け、早めの対策に取り組むことをおすすめします。

老眼によって認知症のリスクも高まる

認知症発症リスクを1とした場合の比較

アメリカの医学情報誌では、高齢者625人を約10年間の追跡し、視力が「きわめて良い」「とても良い」と回答したグループは、そうでないグループより認知症のリスクが63%低い、また眼科医を受診したグループは、未受診のグループよりリスクが約64%低いということが発表されました。視力が低下し、適切な処置も受けていない高齢者は、脳が活性化されるような活動機会も大幅に減少するため、認知症発症のリスクが高くなることは想像に難くありません。老眼は、個人の視力の問題だけではなく、高齢者全体の生活の質(=Quality of Life)をも左右する大きな課題のひとつであり、今や社会問題のひとつとなっているのです。

老眼の進行を遅らせるには?

老眼は完全に防ぐことはできませんが、ちょっとした食生活や生活習慣に配慮することで、老眼の進行を遅らせたり、症状を軽減できる可能性はあります。

紫外線をなるべく避ける

紫外線は肌だけでなく、眼の老化も促進します。水晶体が紫外線を受けると、フリーラジカルという活性酸素が発生し、水晶体のたんぱく質はその酸化作用によって変性し、衰えてしまうのです。

眼の老化予防には、紫外線対策が必要不可欠。なかでも、一番有効なのは、サングラスです。そのサングラス選びにもポイントがあり、少し意外かも知れませんが、色の薄いサングラスの方が紫外線の影響を抑えることができます。色の濃いサングラスだと、もっと光を見ようと眼の瞳孔が開き気味になってしまい、同じ程度の紫外線カット能力の色が薄いサングラスよりも、紫外線のダメージを受けやすいからです。顔に当たる紫外線も減らしたほうが良いので、帽子や日傘、日焼け止めクリームなどとの併用をおすすめします。また、UV効果のあるメガネレンズやコンタクトレンズも人気を集めています。

緑黄色野菜を多く摂る

眼の老化を早める活性酸素(フリーラジカル)は紫外線を浴びることによって体内に発生するほか、添加物の多い加工食品を摂ったり、睡眠不足やストレス過多になっても増えやすくなります。この活性酵素に対抗するには、抗酸化作用のある食べ物を摂ることが有効といわれています。

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンを多く含む食物が良いとされており、これらは緑黄色野菜を食べることで得られます。また、眼の水晶体に存在する主要なカロテノイドであるルティンも、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。食事が不規則になりがちな方は、サプリなどで補うのも良いでしょう。

メガネで眼の負担を軽減

老眼の初期状態は、毛様体筋がまだ頑張っているため、老眼に気付かない方も多く、眼精疲労や肩こり、疲労感、頭痛といった症状が出る場合もあるようです。老眼鏡は高齢になってからかけるもの…という誤った認識のせいで、体調を崩してしまうケースも少なくありません。特に若い時に視力が良かったという方は、まだ見えるからメガネはかけなくても良いなどと頑張ってしまう傾向があるようです。

老眼と判明したら、毛様体筋によけいな負担をかけないためにも、できるだけ早く老眼用の遠近両用レンズに切り替えた方が良いのです。加齢が進むと度数も上がり、遠用と近用のレンズの落差が大きくなるため、落差が緩やかな若い時期から遠近両用に慣れた方がずっとラクだからです。また、早い段階で遠近両用に切り替えることで、眼の負担や疲れも軽減でき、老眼の進行を緩やかにできる可能性も大きいのです。近年ではパソコンやスマホなどで眼を酷使する傾向も手伝ってか、早い方では30代くらいから遠近両用にシフトしています。特に40代以上の方は、これは老眼の兆候?と思ったら、早めに信頼できるメガネ店に相談しましょう。

正しいメガネ選び

老眼鏡というと、従来の既製品や境目のあるレンズをイメージする方もいらっしゃるのでは?最近では、遠近両用メガネもコンタクトレンズも進化を遂げ、デザインも飛躍的に向上し、選びやすくなってきました。

既製品は選ばない

よく雑貨店などで見かける「老眼鏡」と書かれたメガネ。これはあくまで近くのものを一時的に拡大して見る虫メガネのようなものです。眼に合わないメガネをかけていると、見え方の問題だけでなく、無理によく見ようとして眼を酷使してしまい、眼精疲労から身体の不調につながることもあります。初めての老眼用メガネは、信頼できるメガネ専門店で、自分に合った最適なものをフィッティングしながらアレンジすることをおすすめします。

眼と目的に合わせたレンズ選び

今、遠近両用メガネは、遠用、近用とその中間の度数で段階的に構成された累進レンズが主流。一般によく使われるのは、遠くから手元まで見える遠近両用レンズ。ほかにも、手元から3~5mがよく見える室内向け中近レンズ、手元から1m先までよく見えるデスクワーク向けの近々レンズがあります。できることなら、外出用に遠くを重視した遠近両用レンズ、細かいデスクワーク用には近々両用レンズと複数のレンズを使いこなすのが理想的といえるでしょう。

フレームは疲れにくいものを

見た目の印象だけで選んでしまいがちな、メガネのフレーム。しかし、これもメガネの快適さを決める重要な要素です。デザインの好みも大切ですが、実際にかけてみて疲れにくいものを選ぶことを心がけましょう。また、顔の形や全体の雰囲気に合っているか、かけ心地が良く、ズレたりしないか、見やすい角度になっているかなどを確認、調整するフィッティングによって、自分に合ったメガネにアレンジしてくれるメガネ専門店を選ぶことも大切です。

メガネスーパーは、オンリーワンの快適なメガネを提供します!

メガネスーパーでは、業界トップクラスの水準を誇る「トータルアイ検査」や「眼環境チェックシート」などによる独自の診断システムと、オンリーワンの最適なメガネを実現するためのメガネフィッティング、そして、見え方や品質に問題があった時や、破損時の返品や交換を保証する「HYPER保証システム」や「HYPER保証プレミアム」などで、お客さまに信頼いただけるメガネ専門店を目指します。

トータルアイ検査

メガネスーパーでは、業界トップクラスの「トータルアイ検査」を実施しています。独自の「眼環境チェックシート」に基づいた診断を行い、お客様一人ひとりのライフスタイルやご要望をうかがった上で、最適なメガネを提案しています。

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アイケア研究所とは

株式会社メガネスーパー(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役社長:星﨑尚彦、以下メガネスーパー)は、 「眼の健康寿命を延ばす」を目的としたアイケアサービスの拡充を図るべく「アイケア研究所」を発足しました。

これは、核となるミドル・シニアを中心とした約600万人の顧客と、医療従事者、そして、多様な商品・サービスを提供する取引先をネットワークし、最先端アイケアの提供を目指すアイケアカンパニー・メガネスーパーの新しい取り組みのひとつです。

この「アイケア研究所レポート」では、毎月、注目度の高いテーマを取り上げ、みなさまに役立つアイケア情報をお伝えしていきたいと考えております。