特集:新生活のメガネ選びのために、知っておきたい眼の測定の重要性 | メガネスーパー

眼の健康寿命を、延ばす。

アイケア研究所レポート VOL.14

2017年3月28日発行

特集:新生活のメガネ選びのために、知っておきたい眼の測定の重要性

最適なメガネ選びは、まず、正しい測定から始まります。最適なメガネを選ぶために、最も重要な眼の測定について学びましょう。

実用視力とドライアイの関係

健康診断の視力検査は役に立たない?視力測定の結果と日常生活での見え方とは違う

健康診断などの視力測定の結果(遠方視力)では、メガネによる視力矯正は必要ない視力とされても、実際の見え方に不便を感じる場合があります。それは、なぜなのか。一般的な視力測定では、ランドルト環と呼ばれる 「C」のマークの切れ目を見分けることで測ります。この時、何度もまばたきをしたりして一瞬でも見分けられたら、見えたと判断。ものを見る能力の最大値を検出するのです。しかし、日常生活では常に最大の能力で見るわけではないため、測定の結果とは差が生じてしまうと考えられています。

ランドルト環

ランドルト環

連続して視力を計測する実用視力ドライアイで実用視力が低下する傾向に?

実用視力は、連続して視力を測定することによって視機能を評価するもの。従来の視力測定が一時点の視力であるのに対して、実用視力の計測は経時的に視力を測定し、標準偏差、測定時間内の最高視力と最低視力、平均応答時間、規定の時間内のまばたき回数などを計測します。

この実用視力を計測・分析することによって、私たちが日常生活で感じている視力とより近い測定結果が得られ、これまでの視力測定では得られなかった見えにくさや視機能の低下がより客観的に評価できるものと考えられています。正常な視力の方でも連続して視力を測定すると、測定開始直後に比べてやや視力が低下することがありますが、ドライアイ患者は、視力低下の度合いがより大きいことがわかっています。

とくにドライアイの状態で、まばたきを制限すると、角膜を覆う涙液層が不安定になり、見える像がブレるのが原因と考えられます。ドライアイの方は、視力測定で得られる視力は良いのに「見えづらい」と感じるケースが多いのもそのためです。

視力は良いのになぜ見えづらい?

実用視力の低下にはドライアイ対策が必要

通常、涙はまばたきをすると、眼の表面に均一に広がります。しかし、ドライアイの方は、眼の表面に涙がいきわたらなくなり、眼に入る光が拡散。ものが鮮明に見えなくなってしまい、実用視力が低下した状態になります。眼の疲れや渇き、痛みを感じたり、眼がゴロゴロする感じがしたら、ドライアイのサインかもしれません。

ドライアイは、高齢化やエアコンの使用、パソコンやスマートホンなどの使用、コンタクトレンズの装用などに伴って増え続けています。その対策としては、まず、目薬で眼の乾燥を防ぐことが挙げられます。また、とくにパソコンやスマホを⻑時間使用する方は、まばたきが少なくなりがちであることも、ドライアイを加速させる原因のひとつ。作業が1時間続いたら、意識的にゆっくりまばたきをしたり、眼を閉じて休める、ホットアイマスクで眼の血行を促すなどのセルフケアを心がけることも大切です。

健康な眼とドライアイ

健康な眼
健康な眼

ドライアイ
ドライアイ

⑤高齢運転者講習で注目される夜間視力

増える高齢運転者の交通事故最も多い違反は「安全不確認」

高齢運転者による交通事故は、今や社会問題化しています。そして、高齢運転者が関与した交通事故のうち、もっとも多い高齢運転者側の違反は「安全不確認」(構成率30.9%)です。高齢運転者は、安全運転を心がけているつもりでも、客観的に見ると安全運転とはいえない点があると考えられています。
その理由としては、
(1)注意力や集中力の低下
(2)瞬間的な判断力の低下
(3)過去の経験にとらわれて「見なくてもわかる、こうに違いない」と判断してしまう…
などが挙げられます。これらは単に「不注意」と片付けられるものではありません。高齢運転者は、視覚をはじめとする認知機能の低下や身体機能の変化によって、対象の見落としや、反応の遅れなどが発生しやすくなる可能性が高いためです。

高齢運転者の違反別に見た交通事故発生状況
高齢運転者の違反別に見た交通事故発生状況

高齢運転者の人的要因別にみた交通事故発生状況
高齢運転者の人的要因別にみた交通事故発生状況 ※出典:警視庁交通総務課統計
※構成比の数値は四捨五入しているため、内訳の合計が100パーセントにならないことがあります。

高齢運転者で義務付けられた「夜間視力測定」眼の老化による夜間視力の低下が事故の元に?

高齢運転者による事故の人的要因とされている「不注意」には、老化による視覚機能の低下も大きく関わっていると考えられます。一般に、運転行動は、「認知」→「判断」→「操作」のフィードバックといわれますが、外界から情報を得ることが「認知」であり、その90%以上は眼から得られます。したがって、視覚機能の異常によって誤認が生じると、「判断」、「操作」を誤り、交通事故に繋がるリスクも大きくなるのです。

とくに運転情報の誤認が生じやすい夜間の視力は、交通事故防止のために重要視されてきています。70〜74歳の方が運転免許の更新を申請する際に必要な高齢者講習においても、「夜間視力測定」 を受けることが義務付けられています。運転中に動いている交通環境を見極めるのに必要な「動体視力」や、両眼をバランスよく使って距離を把握する「深視力」などと共に、夜間視力に直接関係する「明暗順応」の衰えは、発見の遅れや見落としなどの原因になりがちです。また、見えないことから平衡感覚が失われたり、情報が脳に伝わるまでに時間がかかり、対応の遅れにも影響が考えられます。

高齢運転者だけでなく、全世代の生活者において、夜は視環境が非常に悪くなります。⻑距離ドライバーの夜間の走行においても、心身に相当の疲労を与えられることがわかっています。とくに夜間の運転や歩行の多い方、暗い場所での仕事に携わる方などは、眼科やメガネ専門店で夜間視力測定を受けることをおすすめします。必要に応じて夜用のメガネをかけることや、眼の疲労を取るセルフケアを行うことは、安全を守るためにも、眼の健康のためにも非常に重要なことです。

運転行動と夜間視力低下のリスク 運転行動と夜間視力低下のリスク

夜間視力測定を受けて、夜間専用のメガネを作る

メガネスーパーが展開する「DOCK(ドック)」の白金台本店では、夜間視力測定を行っています(※1)。暗い場所で瞳孔が大きくなった結果、眼に入ってくる光の屈折領域が広くなることで、近視の度数が強くなったり、乱視の角度が変わったり、また、明暗順応などの視覚機能によっても視力に影響が与えられます。

この測定システムでは、昼間の明るい環境下と、夜の暗い環境下での視力の違いを確認できるほか、瞳孔の大きさの変化やズレなど、眼の状態も確認することができます。そして、この測定によって、昼間用のメガネとは違う、夜間専用に最適なメガネを作ることが可能になります。シニア世代の方はもちろん、夜、車を運転する方や、夜間の外出、夜間の作業などが多い方は、ぜひ、メガネスーパーにご相談ください。

「夜間視力測定」を体験してみると…

暗い環境を作って視力と眼の状態を測定する
測定室では、明るい環境で「昼間視力」、暗い環境を作って「夜間視力」の測定を行います。裸眼の昼/夜、メガネをかけた状態の昼/夜、それぞれの条件で、広範囲な領域で測定された屈折度と角膜形状のデータを解析。見づらさの要因をさまざまな角度から確認することができます。

暗い環境を作って視力と眼の状態を測定する

見づらさの要因を確認し夜用メガネを提案
眼の状態を総合的に評価するほか、昼夜の見え方を解析。また、昼夜間の眼の状態を表す各マップで瞳孔径の違いによる視力への影響への影響を確認し、夜間見づらいと訴える被験者への夜用メガネの提案が可能になります。

暗い環境下での「夜間視力検査」

被検者の眼の状態を総合的に評価するための基本情報画面。左右眼の情報を同時に表示し、レフ値、収差から計算されたSCA、高次収差量、昼夜間の違いなどが確認できます。

暗い環境下での「夜間視力測定」 それぞれの状況下での見え方と、MTF(コントラスト解析)グラフが表示されます。
・裸眼(昼)・裸眼(夜)
・昼眼鏡(昼)・昼眼鏡(夜)

※1 2018年4月2日現在の情報は下記バナーよりご確認ください。

夜間視力測定実施店舗

⑥色覚特性とロービジョン

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アイケア研究所とは

株式会社メガネスーパー(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役社長:星﨑尚彦、以下メガネスーパー)は、 「眼の健康寿命を延ばす」を目的としたアイケアサービスの拡充を図るべく「アイケア研究所」を発足しました。

これは、核となるミドル・シニアを中心とした約600万人の顧客と、医療従事者、そして、多様な商品・サービスを提供する取引先をネットワークし、最先端アイケアの提供を目指すアイケアカンパニー・メガネスーパーの新しい取り組みのひとつです。

この「アイケア研究所レポート」では、毎月、注目度の高いテーマを取り上げ、みなさまに役立つアイケア情報をお伝えしていきたいと考えております。