テーマ:スマホ老眼とドライアイについて
<西沢さん> 「次のテーマは『スマホ老眼』です。最近、週刊誌などでも取り上げられている話題のテーマでもあります。また、スマホはもとより、パソコンやタブレットなども含めたVDT(Visual Display Terminal)の眼に対する影響についてもディスカッションしたいと思います」
<川北先生> 「スマホ老眼というのは、同じ姿勢で近くの画面をずっと見ることで、眼のピントを調節する筋肉が固まり、調節力が一時的に低下する状態をいいます。近くの画面から視線を遠くに移すと、ピントが合わず視界がぼやけてしまうという症状ですね」
<西沢さん> 「最近、韓国で、スマホを1日2時間以上使っている人は、あまり使わない人に比べて眼有病率が3倍という調査結果が発表されました。日本でも、これからスマホの影響についてのデータが色々発表されるのではないかと思っています。松本さんは、スマホをよくお使いになりますか?」
<松本さん> 私たち夫婦もスマホをけっこう使っているんですね。主人は買い物などもしています。私も空き時間や新幹線での⻑い移動時間があるとずっとスマホを見てしまって、時々、「あ〜、疲れちゃったな」としばらく眼を閉じて過ごすこともあります。そうやって画面を⻑く見ていて、ふっと顔を上げて周りを見ると、確かに眼のピントが合うまで時間がかかるときがありますね。 でも、心配なのは子どもたちの方です。子どもたちは、学校から帰って寝るまで、真っ暗な部屋の中、スマホでゲームや映画を見ていたりするので気になります」
<束原> 「我々がよく言っているのは『歴史上最悪の眼環境』ということです。パソコンを見るときに40〜50cmくらいの距離があるのに対して、スマホは20cmくらいしかない。スマホが眼に悪いといわれる理由は何かというときに、眼に悪いブルーライトをカットするメガネをかけようという話になります。しかし、もっと大事なのは、距離の問題です。人間の眼は、サバンナで獲物を捕らえていたような時代から遠くを見るようにできています。その遠くを見る眼で近くを見るのだから、非常に大きな負担がかかるわけです」
<西沢さん> 「スマホが及ぼす影響は色々取上げられていますが、中でも、最近よく耳にする『ドライアイ』という症状についてうかがってみたいと思います」
<川北先生> 「たとえば夜、暗いベッドの中でスマホを見ると、猫の眼のように瞳孔が大きく開いて光が入って来やすくなるんです。そのようなときは、スマホ画面の輝度(明るさ)は弱くした方が良いですし、ブルーライトカットの設定も行った方が良いのです。どうしても寝る前にスマホを見たい方は、せめてそのようにして負担を軽くしないと、ドライアイはもちろん、不眠や身体の不調などを起こす原因になることがあります」
<松本さん> 「私はスマホをよく使っているので、ちょっと怖くなってしまいました。夜、スマホを2時間見るのは使いすぎだとしたら、どれくらいなら大丈夫なのでしょう?」
<川北先生> 「早い時間に就寝するのであれば、さほど問題ないと思います。ただ明るい画面を見ながら寝ると、眼の問題だけでなく睡眠も浅くなるので、寝るときは暗くした方が良いですね」
<西沢さん> 「最近、聞いた話ですが『スマートホン・ブラインドネス(スマホ失明)』という症状が報告されているそうです。これは、暗くした寝室で横向きでスマホを使用したまま寝てしまった翌朝に起きる症状のこと。片眼だけ使ったことで、朝の光に対する順応性に大きな差が生じ、起きた時に一方の眼が一時的に見えなくなるのだそうです。スマホは便利なツールであると同時に、眼や身体の不調をもたらす原因にもなります。 適切な使い方や有効なアイケアの知識を身に付けて、スマホとうまく付き合っていきたいものですね」
「スマホ老眼」と「ドライアイ」についてのまとめ
- スマホの⻑時間使用、就寝前の使用などが「スマホ老眼」や「ドライアイ」を加速させる要因に。
- スマホを1日2時間以上使っている人は、あまり使わない人に比べて眼有病率が3倍という調査結果。
- スマホの輝度設定やブルーライト対策、使用時間や使い方など、スマホとの付き合い方が重要。
- 眼への影響だけでなく、自律神経や内分泌系、免疫系に悪影響を及ぼす可能性もある。
松本伊代さんも「眼年齢検査」にトライ!
メガネスーパー独自の眼年齢検査に、ゲストの松本伊代さんにもトライしていただきました。松本さんが事前予想したご自身の眼年齢は「40歳」、実際は実年齢に近い「51歳」という結果に。しかし、松本さんは「今までにない、とても丁寧な検査でした。今度からメガネスーパーさんでメガネを作りたいと思います」 とニッコリ。また、「全身の健康より眼の健康に対しては意識が低かったと感じました。これからはアイケアも大切にしながら、老眼鏡もおしゃれに楽しめるようになりたいと思います」という嬉しいお言葉もいただきました。
一般参加の方々からの質問に、パネラーが回答する時間も設けられました。パネラーの皆さんからは、それぞれの専門分野からのアドバイスや意見を中心に、メガネスーパーでの検査やメガネ作り、眼のリラクゼーションなどを体験した感想もいただきました。
<一般参加者からのご質問>眼に良いドクターおすすめのサプリメントは?
- 近視、眼軸地を変える、視力を直接的に良くするサプリメント効果の実証はまだない。
- 老眼や加齢に伴う眼の疾病には、抗酸化作用のあるサプリメントが有効と考えられる。
- アスタキサンチンは、酸化ストレスから強力に体を防御する働きがあり、眼精疲労の改善や眼の調節力の改善、網膜毛細血管の血流量増加、紫外線による酸化ストレス抑制などの効果が認められている。
- ルテイン、ビタミンA、C、E、亜鉛などの栄養素は、加齢黄斑変性の進行抑制の効果が認められている。
- エビデンス(実証)のあるサプリメントを選ぶことが重要。
<一般参加者からのご質問>メガネはどの店で買っても同じですか?
- アイケアの面では、眼の状態や必要な視距離に合ったメガネをオーダーメイドできる店が良い。
- 通常の視力検査による視力に合わせるだけでは、最適なメガネとはいえない。
- レンズはもとより、フレームの素材やサイズ、機能性、眼の状態に合わせたフィッティングも重要。
- メガネスーパー旗艦店「DOCK」では、眼のリラクゼーションも受けられるのが良い。
アイケアフォーラム「眼から元気にプロジェクト」開催概要
開催日時
2016年9月24日(土)13時30分〜16時
開催場所
時事通信ホール(東京都中央区)
参加者概要(順不同)
北里大学北里研究所病院眼科部⻑ 川北哲也先生 日経BPヒット総合研究所 主席研究員 西沢邦浩さん タレント・歌手 松本伊代さん 株式会社メガネスーパー