今、話題の「スマホ老眼」とは

監修:八木 正人 氏
今、話題の「スマホ老眼」とは

スマホなどを長時間見たあとに遠くを見るとピントが合わず、一時的に起こる近視のような状態が「スマホ老眼」と呼ばれるようになってきました。


スマホ老眼について

目の調節力が低下する

遠くを見ている時

目の良い人は普通に見えますし、視力が悪い人も、眼鏡をかけたり、コンタクトレンズを使えばちゃんと見えます。

遠くを見ている時

スマホを見るとき

遠くを見ている目の状態のままでは、近くにピントが合いません。これではスマホははっきりとは見えません。

スマホを見るとき

近くにピント合わせをします

目の中の水晶体というレンズを膨らませてピント合わせをします。このことを『調節』といいます。

近くにピント合わせをします

スマホ老眼の状態

以上のようにスマホを長時間見続けるのは水晶体を膨らませ続けるので疲れますし、近くにピントを合わせる目の状態から、遠くにピントを合わせる状態への切り替えがスムーズにできなくなることがあります。そのようなときにスマホから顔を上げると、遠くがピンボケして見づらい状態になります。これが、『スマホ老眼』と呼ばれる状態です。一般的に「スマホ老眼」は、一過性の状態を指し、休息等で回復する範囲と捉えられています。
こうした「ピント合わせの不具合」が慢性化し、近くも見づらく感じるような症状を自覚したら眼科受診での疾病等の確認が推奨です。

スマホ老眼の状態

スマホ老眼イメージ

本来(普段)は左の写真のようにテレビもクッキリ見えるはずなのに……
過度に近い距離で、過度に長時間スマホ等の近見視を続けると、顔を上げた時、離れた場所(この場合、テレビ画面)が一時的にピントが合わなくなってしまう状態
※一時的ではなく慢性的に起こる場合は、眼科受診での疾病等の確認が推奨です。

テレビとスマホの見え方比較写真

毛様体筋(内眼筋)のバランスが崩れる

ピント合わせをコントロールをしている目の筋肉のバランスが崩れると、近くを見るために膨らんだ水晶体が、遠くを見てもに戻らないという状態が一時的に起きることがあります(戻らないと遠くにピントが合わない)。
これがスマホ老眼と呼ばれています。

遠くを見るとき・近くを見るときの目の断面図

「老眼」と「スマホ老眼」の違いとは

「老眼」とは、加齢に伴って目の調節機能が衰え、近くのものにピントが合いにくくなる状態のことです。
近視や遠視は、眼軸の長さと角膜や水晶体の屈折力が関わる屈折異常によるもので、老眼とはまったく異なる症状です。一方、「スマホ老眼」は、近距離のスマホを見続けることで目の筋肉が緊張する状態が続き、老眼と同様にピント調節が利かなくなる状態をいいます。ほとんどが一時的なものですが、繰り返すうちに重篤化するケースも考えられ、注意が促されています。

老眼のイメージ図

正視・近視・遠視

正視

眼軸の長さが標準で網膜にピントが合う。

正視の図

近視

眼軸の長さが長く、網膜にピントが合わない。

近視の図

遠視

眼軸の長さが短く、網膜にピントが合わない。

遠視の図

【参考】

「スマホ老眼」は、加齢性の老眼とは全く違う概念です。誤解が多いのですが、加齢性の老眼のように近くが見づらくなるのでありません。「スマホ老眼」は過度(長時間・近過ぎる視距離)な近見視によって、一時的に毛様体筋が不具合(調節緊張・調節痙攣・調節麻痺etc.)を生じて、その結果、毛様体筋の『弛緩』と『緊張』のバランスが崩れて(水晶体が膨らんだままになることで〈扁平方向に戻りきらなくなることで〉)遠見時に近視のような状態になります。

パソコンよりスマホが懸念される理由

近年、パソコンやタブレット、スマホなどのモニタを見続けることで目の不調や疾病を引き起こすVDT(Visual Display Terminal)症候群が注目されてきました。厚生労働省の調べでは、コンピュータを使用する労働者の90%以上が目の不調を訴えているという結果が出ています。パソコンを長時間使用する人にも「スマホ老眼」のような症状は見られますが、とくにスマホ使用が懸念されるのは、小さな画面の小さな文字を、パソコンよりも近い距離で凝視することで目の負担が大きくなるためです。
勤務中は外回りでメールチェック、仕事が終わってもSNSやメール、ゲーム、情報収集…と、1日中スマホを見続けているという若い世代も少なくないため要注意です。

※VDT(Visual Display Terminal)…パソコンやタブレット、スマホなどのこと

目の疲れのイメージ写真

スマホ老眼チェック

スマホ老眼のセルフチェック

「スマホ老眼」チェック

メガネスーパーでのスマホ老眼検査

「スマホ老眼」検査メニューと流れ

この記事の監修者

八木 正人 氏

監修:八木 正人 氏

1級眼鏡作製技能士|アイケア技能検証グループ
専門領域:視力の測定・遠近両用を始めとしてレンズ全般・メガネの見え方に関する専門知識・技術

1997年にメガネスーパーへ入社。約30年にわたりメガネに関する業務に携わり、店舗での実務経験や長年の現場マネジメントを通じて、視力測定やレンズ、メガネの見え方に関する知識と技術を培ってきた。
現在はアイケア技能検証グループに所属。これまでの豊富な現場経験と、測定・レンズに関する専門知識・技術を活かし、メガネスーパーのアイケアに関する技術・品質の向上に携わっている。
国家検定資格である「1級眼鏡作製技能士」を保有。

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