ロービジョンとは
見えにくさに気づくための基礎知識

監修:八木 正人 氏
カテゴリー:ロービジョン・弱視
ロービジョンとは

視力の低下や視野の狭まり、まぶしさなどによって、日常生活に支障が生じる状態をロービジョンと呼びます。年齢のせいと誤解されることも多く、早期ケアの重要性が見落とされがちです。まずは正しい知識から始めましょう。

ロービジョンの主な症状

見えづらさは人によって異なり、気づきにくい場合もあります。

代表的な症状

小さな文字が読みにくい

新聞や本の文字がにじむ、読書に時間がかかる

小さな文字が読みにくい

まぶしく感じる

外出時や明るい場所で過度に眩しさを感じる

まぶしく感じる

コントラストが低く感じる

物の輪郭がぼやける、明るい場所でも暗く感じる

コントラストが低く感じる

人の顔が認識しづらい

知人の顔の判別が難しい

人の顔が認識しづらい

視野の欠け、狭まり

視界の一部が見えない、周辺が見えにくい

視野の欠け、狭まり

よくある原因と疾患

加齢だけでなく、眼疾患や生活習慣によってもロービジョンは発生します。日本人の中途失明原因の上位を占める疾患を理解しましょう。

日本人の主な失明原因

【緑内障】
眼圧上昇により視野が狭くなる。自覚症状が少なく進行しやすい

【糖尿病網膜症】
糖尿病の合併症。初期は無症状で気づきにくい

【網膜色素変性症】
遺伝性。夜盲(暗所での見えにくさ)が初期症状

【加齢黄斑変性】
50歳以上の1.2%(80人に1人)。中心部が歪んで見える

日本人の主な失明原因

白内障手術後の見えづらさについて

白内障手術で眼内レンズを挿入された場合、手術前よりもクリアに見えるようになることが多くなる一方で、
以前よりまぶしさを感じることがあります。
その要因として、術後に大量の光が入るようになったことや、水晶体で吸収していた波長の短い光も透過させてしまうことがあげられます。

網膜剥離について

眼球をカメラに例えますと、網膜はフィルムに相当します。
目に入った光が網膜に当たると、網膜はそれを電気信号に変え、視神経を介して脳に刺激を伝えます。
脳に刺激が伝わった結果、モノを見ることができるようになります。
網膜剥離は、何らかの原因によって網膜が眼球から剥離しまう状態で、治療法やその後の経過は原因により様々です。

セルフチェック(5つの気づき)

最近、見えづらくなったかも?と思った時に使える簡易チェックです。ご家族の気づきにも役立ちます。

本人向けチェック

  • 読書に時間がかかるようになった
  • 文字がにじんで見える
  • まぶしいと感じることが増えた
  • 人の顔が判別しづらい
  • 明るい場所でも暗く感じる

ゆがみ(見え方)のセルフチェック

目から表を30cmはなして下の図をみてください。
左右それぞれ、必ず「片眼」ずつ行いましょう。老眼鏡やコンタクトレンズをした状態で、表の中央の黒い点を見つめます。ゆがみがないか、見えないところはないかを調べます。

片目ずつチェックしてみてください

こんな見え方は要注意

このような見え方をしたら要注意!
見え方に違和感があれば、眼科医などに相談しましょう。

ご家族のためのロービジョン理解

ご本人が自覚していなくても、ご家族が先に気づくケースもあります。正しいサポートが生活改善につながります。

家族が気づく兆候

  • 外出を控えるようになった 視力低下や視野狭窄により外出への不安増加
  • 物につまずきやすい 視野異常や深度認識の低下
  • 家事作業に時間がかかる 細かい作業の困難さ
  • 書類や郵便物の読み取りが難しそう 視力低下による文字認識の問題
  • 左右どちらかに寄って歩く 半盲など視野異常のサイン

視覚特性の理解

視力低下

ぼやけた見え方

小さな文字が読みにくい

視野異常

半盲、狭窄、暗点のパターン

まぶしく感じる

羞明(しゅうめい)

過度のまぶしさ

コントラストが低く感じる

家庭でできる見え方サポート

環境調整や照明の工夫など、すぐに始められる改善策をまとめました。専門的な補助具を使う前に、まず日常環境を整えることが大切です。

実践的サポート方法

1. 十分な照明(LED推奨)

手元作業用のスポットライト設置
LEDライトは明るく省エネ

2. 床の段差や障害物の整理

カラーテープで段差を目立たせる歩行経路の障害物を撤去

床の段差や障害物の整理

3. コントラストの高い日用品の活用

照明スイッチに凸シール貼付家電のよく使うボタンにマーキング

コントラストの高い日用品の活用

4. 読書環境の工夫

適切な距離と照明の確保
スマートフォン、タブレットのアクセシビリティ機能活用
iPhone/iPad:VoiceOver
Android:TalkBack
カメラで撮影→拡大表示する方法

読書環境の工夫

ロービジョンは早期ケアで生活が変わります

適切な補助具や照明、視力補正を行うことで、読書、外出、家事など多くの場面で改善が期待できます。放置すると症状が進行し、失明に至る可能性もあります。

早期発見の重要性

緑内障:40歳以上の30人に1人が発症、8割が未発見
発症から失明まで10~20年と長期間だが、早期発見で失明率が大幅に低下
定期的な目の検査(年1~2回)を推奨

改善事例

事例1

文字が読めるようになった

新聞の文字がにじんで読めなかったが、ルーペや拡大読書器を使い始めてから毎日の読書が楽しめるようになりました。
(70代女性)

事例2

外出への不安が減った

強いまぶしさと、視野の狭さから外出を避けていましたが、適切な遮光メガネと医療機関での歩行訓練で買い物に行けるようになりました。
(60代男性)

事例3

家事や趣味が再開できた

料理が難しくなっていましたが、照明とコントラストを工夫したら調理が楽になりました
(65歳女性)

専門相談へのご案内

一人ひとりに最適なケアを行うため、メガネスーパーではロービジョン専門相談を実施しています。

相談の流れ

ヒアリング

お困りごとや生活環境の確認

測定

視力、視野、コントラストの精密測定

補助具提案

症状に合わせた最適な製品選定

アフターケア

使用方法の説明と再調整

この記事の監修者

八木 正人 氏

監修:八木 正人 氏

1級眼鏡作製技能士|アイケア技能検証グループ
専門領域:視力の測定・遠近両用を始めとしてレンズ全般・メガネの見え方に関する専門知識・技術

1997年にメガネスーパーへ入社。約30年にわたりメガネに関する業務に携わり、店舗での実務経験や長年の現場マネジメントを通じて、視力測定やレンズ、メガネの見え方に関する知識と技術を培ってきた。
現在はアイケア技能検証グループに所属。これまでの豊富な現場経験と、測定・レンズに関する専門知識・技術を活かし、メガネスーパーのアイケアに関する技術・品質の向上に携わっている。
国家検定資格である「1級眼鏡作製技能士」を保有。

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