眼とメガネの 自由研究~ヒント~
1.眼がイイ、悪いってなんだろう。
視力とは「2つのモノを分離して見分けることのできる能力がどの程度であるか」をしめすものです。 かんたんにいえば、視力とはモノの形を選別する能力のことで、小さなものを見分けることができれば視力がイイということです。
この考え方は古代のアラビアにさかのぼります。北斗七星のはしから2番目のミザールは、アルコルという星とふたご座です。アラビアでは、視力がイイとこのふたつの星をふたつだと見分けることができる、とされ、これがギリシャやエジプトに伝わり後の視力1.0(1分)の元になった…というものです。
げんざいはこのおなじみのマークに形を変えています。ランドルドという人が1888年に考案したので、「ランドルド氏かん」と名付けられました。
眼はカメラに非常によく似ています。「角膜(かくまく)」はカメラでいうレンズの役割で「水晶体(すいしょうたい)」は厚みを変えてはいってくる光を調節し、ピントを合わせる働きをします。また、カメラのフィルムと同じような働きをしているのが「網膜(もうまく)」です。この「網膜(もうまく)」は、光や色を感じると、神経によってこれを脳に伝えます。ここで物が見えるという感覚がおきます。
右図は眼球の断面図です。左からはいってきた光が「角膜(かくまく)」、「水晶体(すいしょうたい)」を通して「網膜(もうまく)」に達しています。
目のイイ人であれば、右図のように網膜(もうまく)上で線を結びますが、近視だと網膜よりも手前で結んだり、遠視だと網膜を通りこして線を結びます。
2.いいメガネってなんだろう。
いいメガネには3つのポイントがあります。
①よく見えること
②かけ心地が良いこと
③よく似合うこと
特に眼の健康の視点からは①と②が大変重要です。
①よく見えるためには、まずは正しく視力を測定することが必要です。
そして、黒板の文字が読めるか、テレビをどのあたりから見るか、野球のボールが見えるのか、ゲームでよく遊ぶことがあるかなど、現在の眼の環境に応じたメガネを作ることが何よりも重要なのです。
普段の生活でよく見る距離とあっていないメガネをかけていると、よけい眼に負担がかかり、眼が疲れたり視力が悪化する場合もあるの注意が必要です。
②かけ心地が良いメガネは顔にあったメガネです。顔にあっていないとメガネがすぐにずれ落ちたり、鼻や耳の後ろが痛くなります。ずり下がっていると、せっかくの視力にあわせせたメガネも効果が十分に発揮できず、余計眼に負担をかける場合があります。
こどもの顔は成長過程にあるため、特に骨格がひとりひとり違います。また、小学生はスポーツや遊びに活発に動きます。メガネ選びで特に重要なのは、一人ひとりの特徴や学校生活に合わせたフィッティングで、顔の形や大きさにあったメガネを選び、メガネ屋さんで調整してもらうことで最適なかけ心地と見え方になります。
③よく似合うメガネは自分の好きなデザインや色のメガネをかけて探してみよう!メガネはかけると人のイメージは大きく変わります。いろいろなデザインを試し、お父さんやお母さんに自分にあったメガネを確認してみよう。またデザインだけでなく、運動が多い人には軽量で壊れにくいタイプのものなどもあるので、用途にあったメガネのデザイン・機能を探すのも重要です。
3.眼をよくするにはどうしたらいいのかな。
健康な生活をこころがける
■食べ物の好き嫌いがないように、バランスのとれた食事をとりましょう
■規則正しく早寝早起きをして、睡眠時間をしっかりとりましょう
近くを見るときは
■30センチ以上離して教科書や本を見よう
■机やいすが体にあうようにしましょう
■目をこらして見ないようにしましょう
テレビ画面を見るときは
■テレビを見るときは部屋を明るくして、2m以上離れましょう
■綺麗に映るように調整された画面で見ましょう
■1時間続けて見たときは10分目を休めましょう
■テレビゲームは30分ごとに目を休めましょう
明るさ
■部屋全体が明るくなるようにして、デスクライトで手元も明るくしましょう
■デスクライトの光がまぶしくないように調整して、鉛筆を持つ手の反対側に
置きましょう
メガネ
■黒板の文字など、遠くのものが見えなく感じたら、お父さんやお母さんの相談し、眼科やメガネ専門店で眼の検査をしましょう
■度数やメガネを使う用途に応じた正しいメガネをすることが、視力を悪化させないうえでとても重要です
■遠くが見えないのを我慢して眼をこらしたりするのは眼に負担をかけ、余計視力を低下させる原因にもなります
■よく「メガネをすると眼が悪くなる…」といった話を聞きますが、それは全くのデタラメで、間違った情報です。メガネが必要なのにメガネをかけなかったり、目や使用用途にあったメガネを使用するほうが、眼に負担をかけ、眼を悪化させる原因になります。